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2018年4月22日日曜日

『英語教育』にジュノ・ディアス『ハイウェイとゴミ溜め』について書きました

『英語教育』2018年5月号にジュノ・ディアス『ハイウェイとゴミ溜め』について書きました。
https://www.taishukan.co.jp/book/b358311.html
やっぱりディアスのデビュー作は何度読んでも切ないですよね。豊かな生活を求めて父親が先にアメリカ合衆国に移民することで、一家は結局離散してしまいます。最近は気軽にグローバリゼーションなんて言葉を僕らは口にしますが、当事者の感情は本当に複雑です。

『こころ』で夏目漱石『それから』について書きました

『こころ』2018年第42号で夏目漱石『それから』について書きました。
http://www.heibonsha.co.jp/book/b353551.html
タイトルは「愛の不在--夏目漱石『それから』」です。
最近、夏目漱石の作品を固めて読んでいるのですが、どれも昔読んだときの記憶と違っていて面白いですよね。大人になるといろいろ楽しめる作品が増えて嬉しいです。

2018年4月21日土曜日

『週刊新潮』でキム・グミ『あまりにも真昼の恋愛』について書きました

『週刊新潮』2018年4月26日号でキム・グミ『あまりにも真昼の恋愛』(すんみ訳、晶文社)について書きました。
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/
キム・グミは韓国の若手作家で、今の若者の感覚を上手く掴んでいる作家です。おずおずとして言い出せないとか、どうしても心がすれ違ってしまうとか。クールでシャイな感じは現代の日本にも通じるのではないでしょうか。
訳者のすんみさんは古井由吉の研究をしたり、柄谷行人『漱石論集成』を韓国語に訳したりしている俊英です。彼女の日本語は本当にすごい。こうした優れた人がどんどん出てくるなんて頼もしいかぎりですね。

朝日新聞でファン・ジョンウン『野蛮なアリスさん』を書評しました

2018年4月21日の朝日新聞朝刊でファン・ジョンウン『野蛮なアリスさん』(斎藤真理子訳、河出書房新社)を書評しました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13460736.html?iref=pc_ss_date
時に幻想を交えながら、朝鮮戦争の記憶や家庭内の暴力がどんなふうに隠されながら、こどもたちの心を蝕んでいくかが描かれます。展開も文章も本当に新しくて、現代韓国文学では真の革新が行われていることがよくわかる作品です。斎藤真理子さんの翻訳も最高でした。

2018年4月20日金曜日

連載エッセイ『街と小説』、大江健三郎『死者の奢り』編をアップしました

立東舎サイトでの連載エッセイ『街と小説』、大江健三郎『死者の奢り』編をアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/04/1-3.html
大学時代読んで以来、こんな恐い水槽があるんだろうか、なんてぼんやり考えたりしてきました。今回読み直すと、クッツェー『恥辱』などに通じるテーマが感じられたりして、やっぱりすごかったです。

2018年4月19日木曜日

東直子さん『晴れ女の耳』(角川文庫)の帯書きました

東直子さんの小説『晴れ女の耳』(角川文庫)の帯文を書きました。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321712000392/
紀州の森を舞台とした、とても優れた作品です。尊敬する東さんの本の帯文を書けるなんて、とても光栄です。

2018年4月7日土曜日

『すばる』でT・コラゲッサン・ボイル「わが人生の恋人」を翻訳しました

『すばる』2018年5月号でT・コラゲッサン・ボイル「わが人生の恋人」を翻訳しました。
http://subaru.shueisha.co.jp/
高校を出てちょうど大学に入ったばかりのカップルに子供ができて・・・・・・という話ですが、思わぬ展開に驚きます。英語だとサッと読めて面白い感じですけど、訳すとけっこう難しいですね。細かいところまで工夫されている感じで。
ボイルは僕が留学していた南カリフォルニア大学の先生でした。受業は取ったことがないのですが、思わず姿が浮かんできて、なんだか懐かしかったです。
特集「ぼくとフェミニズム」のために訳したのですが、他の方の作品も力作揃いですね。僕としては、大好きな横尾忠則さんのインタビューが載っていたのが嬉しかったです。

朝日新聞でアジェンデ『日本人の恋びと』を書評しました

2018年4月7日の朝日新聞朝刊でイサベル・アジェンデ『日本人の恋びと』(河出書房新社)を書評しました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13440257.html?iref=pc_ss_date
ナチの迫害から逃れてきた少女と日系人の若者が戦前のカリフォルニアで出会う、というだけでものすごく興味を惹かれました。次はどうなるの、とぐんぐん物語に引き込まれ、息もつけません。やっぱりアジェンデはすごい、と思ってしまいました。
チリ出身のアジェンデがスペイン語でカリフォルニアについて書く、この混淆した感じがまさに現代文学なのでしょう。とても良い作品です。お奨め。
4月から朝日新聞の書評委員になりました。優れた作品を選んで行けたらいいなあ、と思っております。どうぞよろしくお願いします。

2018年4月4日水曜日

連載エッセイ『街と小説』、森鴎外『青年』編をアップしました

立東舎のサイトに連載エッセイ『街と小説』、森鴎外『青年』編をアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/04/1-2.html
これは国内外の街を背景とした文学作品について語りながら、自分の体験の話もする、という連載です。今回は第1章「本郷編」の2、森鴎外『青年』についてです。

中村和恵さん、平凡社ライブラリー編集長Tさんとの鼎談3回目がアップされました

中村和恵さん、平凡社ライブラリー編集長Tさんとの鼎談3回目がアップされました。
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/523
タイトルは「〈家族をつくる〉ということ」です。