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2018年1月30日火曜日

『カズオ・イシグロ読本』(宝島社)に寄稿しました

2017年12月に発売された『カズオ・イシグロ読本』(宝島社)に寄稿しました。
http://tkj.jp/book/?cd=02793901&path=&s1=
タイトルは「間(はざま)の文学--1.5世としてのカズオ・イシグロ」です。
日本人であり、同時にイギリス人でもあるという存在の仕方からこそイシグロ文学が生まれている、という話を書きました。幼少期に外国に渡った作家たちであるジュノ・ディアス、ヴィエト・タン・ウェン、温又柔についても触れました。

『週刊新潮』でタヴァーリス『家宝』について書きました

『週刊新潮』2018年2月1日号でズウミーラ・ヒベイロ・タヴァーリス『家宝』について書きました。
ここで全文を読むことができます。
https://www.bookbang.jp/review/article/546566
これを読むと、ブラジル文学がいかに成熟しているかがわかります。ゲイである事を隠して生きる判事の結婚をきっかけに嘘が嘘を呼び、だからこそそこに禁断の愛の真実が生じる、という展開はとても高度です。しかも家宝であるルビーの真贋が比喩としてずっと展開されるというのもお洒落。
今まで中南米文学はスペイン語圏のものしか読んでいなかったのですが、どうしてどうして、ポルトガル語圏のものも、また違った味わいで多いに楽しめますね。お勧め。

『週刊現代』で町田康『生の肯定』について書きました

『週刊現代』2017年1月17日号で町田康の『生の肯定』について書きました。
http://gendai.ismedia.jp/list/author/wgendai
『どつぼ超然』『この世のメドレー』と続いてきた「余」を巡る三部作がようやく完結しました。面白さはいつもの町田作品の通りですが、まとめて1000ページ近くを読むと、その向こう側にあるシリアスな問いかけに気づかざるを得ません。人はなぜ生きるのか、言葉はどこで意味を超えるのか。僕らはもうそろそろ、非常に真面目で深い作家として町田康を読み直す時期に来ていると思います。

2018年1月27日土曜日

2月4日にB&Bで中村和恵さんとイベントをします

2018年2月4日にB&Bで中村和恵さんとイベントをします。

http://bookandbeer.com/event/20180204_tokoudokusyokai/

タイトルは「第1回「境界から響く声たち」読書会 
カリブ海からパリへ――ジーン・リースを中村和恵さんと読む」です。
20世紀英語圏文学の代表的なものを読んでいくという企画で、今回はカリブ海文学の代表的な書き手であるジーン・リースの『カルテット』を中心に扱います。もちろん代表作『サルガッソーの広い海』の話もします。ご興味があれば。

2018年1月16日火曜日

1月16日に和洋女子大で講演をします

1月16日(本日ですが)に和洋女子大で講演をします。タイトルは「越境の文学― カズオ・イシグロと移動する作家たち」 で、午後1時スタートです。
詳細は以下のサイトでご確認ください。
http://www.wayo.ac.jp/event/tabid/111/Default.aspx?itemid=2028&dispmid=521
一般公開で、入場無料になっています。ご興味があれば。

2018年1月10日水曜日

Korean Literature Nowで金呂玲『優しい嘘』について書きました

Korean Literature Nowの2017年冬号で金呂玲『優しい嘘』(書肆侃侃房)について書きました。
https://koreanliteraturenow.com/fiction/reviews/kim-ryeoryeong-darkness-school-darkness-society-sublime-lies-kim-ryeoryeong
ここで全文を読むことができます。ただしログインが必要です。
映画にもなった『優しい嘘』ですが、子供がいじめで追い込まれていく様は凄まじいです。ご興味があれば。