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2018年12月31日月曜日

ドン・デリーロ『ポイント・オメガ』(水声社)を翻訳しました

ドン・デリーロ『ポイント・オメガ』(水声社)を翻訳しました。
http://www.suiseisha.net/blog/?p=10087

カリフォルニアの砂漠の真ん中で、ある男と若者の意識が変容していきます。ちょっと『ボディ・アーティスト』にも近いですよね。戦争からアートまで、デリーロの魅力が全開の作品になっています。

『芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚』の一篇を訳しました

澤西祐典・柴田元幸編訳『芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚』(岩波書店)の収録短編を一つ訳しました。
https://www.iwanami.co.jp/book/b378358.html

訳したのはセント・ジョン・G・アーヴィン「劇評家たちあるいはアビー劇場の新作――新聞へのちょっとした教訓」です。ご興味があれば。

2018年12月30日日曜日

12月15日の『朝日新聞』で坂口恭平『建設現場』を書評しました

2018年12月15日の『朝日新聞』朝刊書評欄で坂口恭平『建設現場』を書評しました。
https://book.asahi.com/article/12011613
簡単な言葉で書かれているのになかなか頭に入ってこないという不思議な文章に、最初読み手は当惑すると思います。でもそれは、これが文学作品だとかアートだとかいう先入観を持っているからです。虚心に言葉の流れに没入しているうちに、やがてこの本を読むためのモードがじわじわとわかってきます。この作業が気持ちいい。
坂口恭平はいつも本当に攻めていますね。分かる分からないの向こう側に突き抜けると、生きるという言葉だけが残ることが実感できます。こんな特別な読書体験をくれる坂口さんには感謝しかありません。

1月12日に柴田元幸先生と澤西祐典さんとイベントをします

2019年1月12日の午後4時から、神保町ブックセンターで、柴田元幸先生と澤西祐典さんとイベントをします。
https://www.jimbocho-book.jp/599/
https://akutagawa.peatix.com/
タイトルは「芥川龍之介の知られざる仕事」で、岩波書店から刊行された『芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚』について話します。
事前予約が必要で、入場料はワンドリンク付きで1600円です。ご興味があれば。

紀伊国屋笹塚店で「都甲幸治さんフェア」開催中です

紀伊国屋笹塚店で「都甲幸治さんフェア」開催中です。
https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Sasazuka-Store/
https://twitter.com/Kino_Sasazuka
今年僕が書いた書評で扱った本の中から、K店長と立東舎のK編集の二人が自分の好みで何冊か選んでくれました。とても嬉しいです。
僕の選んだ2018年のベスト10冊も展示中です。

2018年12月29日土曜日

12月29日の朝日新聞で今年の三冊を選びました

2018年12月29日の朝日新聞で今年の三冊を選びました。

https://www.asahi.com/articles/DA3S13831615.html

(1)ハレルヤ(保坂和志著、新潮社)
(2)はじめての沖縄(岸政彦著、新曜社)
(3)市場のことば、本の声(宇田智子著、晶文社)

沖縄関連の本が2冊入ったのが自分でも謎ですが、どれも本当に素晴らしい本ばかりです。

2018年12月19日水曜日

12月21日金曜日に大和田俊之さんとイベントをします

2018年12月21日金曜日に大和田俊之さんとイベントをします。時間は19時から、場所は神保町ブックセンターです。
https://www.jimbocho-book.jp/545/
https://hiphopandliterature.peatix.com/
内容ですが、ヒップホップとか現代文学とかになると思います。ご興味があれば。

2018年12月6日木曜日

『ほんのひとさじ』にエッセイを書きました

書肆侃侃房のPR誌『ほんのひとさじ』2018年11月1日号にエッセイを書きました。特集は「布」で、エッセイのタイトルは「メッシュのタオル」です。

『英語教育』でくぼたのぞみさんとクッツェーについて話しています

『英語教育』2018年12月号でくぼたのぞみさんとクッツェーの『モラルの話』(人文書院)について話しています。
https://www.taishukan.co.jp/book/b383344.html
クッツェーはやっぱり面白いですよね。この『モラルの話』に出てくるエリザベス・コステロもすごいです。犬の話からハイデガーの話まで、多岐に渡る挿話を読みながら、読者は深い思索に引き込まれていきます。本当に良い作家です。

『週刊新潮』でピョン・ヘヨン『ホール』を書評しました

2018年12月6日の『週刊新潮』でピョン・ヘヨンの『ホール』(書肆侃侃房)を書評しました。
https://www.bookbang.jp/review/article/561379
http://www.kankanbou.com/books/kaigai/kankokujyosei/0343hole
交通事故で半身不随になった主人公オギが、同じ事故で亡くなった妻の母親に介護されるも、実はだんだんと追い込まれていく、というお話です。さすがシャーリイ・ジャクソン賞受賞作だけに十分恐いですね。義理の母親が日本と韓国両方の血を引くという設定にも興味が湧きます。

2018年12月5日水曜日

連載エッセイ『街と小説』の福岡編、絲山秋子編をアップしました

立東舎のサイトで連載しているエッセイ『街と小説』の福岡編、絲山秋子『逃亡くそたわけ』編をアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/12/5-1.html
すさまじいほどの名著ですが、とりわけ登場人物の言葉が生きています。本当に読者も福岡から一緒に逃亡しているような気持ちになります。

2018年11月28日水曜日

11月28日にアルパナー・ミシュラさんを囲むシンポジウムをします

2018年11月28日にインドの作家のアルパナー・ミシュラさんを囲むシンポジウムをします。
https://utcp.c.u-tokyo.ac.jp/events/2018/11/post_182/
場所は東京大学駒場キャンパスで、時間は午後5時半からです。他に中村和恵さん、武田将明さんが出演します。
ご興味があれば。


2018年11月24日土曜日

連載エッセイ『街と小説』の福岡編プロローグをアップしました

連載エッセイ『街と小説』の福岡編プロローグをアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/11/5-0.html
祖父母や親戚が住む福岡は僕にとっても縁が深い街です。子供時代の里帰りの様子を中心に書いてみました。

『週刊新潮』で岩城けい『Matt』を書評しました

『週刊新潮』2018年11月08日号で岩城けいの『Matt』を書評しました。
https://www.bookbang.jp/review/article/560494
日本人が外国に入っていくときの感覚を書かせたら、岩城けいの右に出る者はありません。言葉の悩みやアイデンティティを巡る苦しみなど、本当にリアルです。
本作ではオーストラリアで成長する青年が、日本人を憎む級友と会って葛藤します。人種差別や負の歴史に正面から向い合う勇気ある作品だと思います。

11月10日の『朝日新聞』で村田沙耶香『地球星人』を書評しました

2018年11月10日の『朝日新聞』朝刊書評欄で村田沙耶香の『地球星人』を書評しました。
https://book.asahi.com/article/11937763
ドメスティック・バイオレンスあり、性的虐待ありと、村田沙耶香の本作はいつもどおりカラフルです。敵対的な家族や社会に囲まれて女性がどう生き抜くのかを真摯に探究しているからこそ、村田沙耶香は多くの人々から支持されているのでしょう。

11月16日の番組『グッド・モーニング』で全米図書賞についてコメントしました

2018年11月16日のテレビ朝日『グッド!モーニング』で朝6時半ごろ、全米図書賞についてコメントしました。
https://www.tv-asahi.co.jp/goodmorning/
多和田葉子『献灯使』の英訳が今年の全米図書賞の翻訳部門を受賞したということで話題になっています。そもそも全米図書賞が世界の文学賞においてどれほど重要なのかをコメントしました。

11月24日の朝日新聞でモレッティ『ブルジョワ』書評しました

2018年11月24日の朝日新聞朝刊書評欄でフランコ・モレッティの『ブルジョワ』を書評しました。
https://book.asahi.com/article/11967412
 膨大な読書を基礎に、連想のまま思わぬ作品を繋げていく刺激的な講義という感じの本です。勤勉・真面目・効率的の果てに疲れ切っている我々が人生をどう考えればよいのか、という思索の書物でもあります。

2018年10月20日土曜日

『英語教育』でフィリップ・ロス『さようなら、コロンバス』について書きました

2018年11月号の『英語教育』でフィリップ・ロス『さようなら、コロンバス』について書きました。
https://www.taishukan.co.jp/book/b378028.html
最近亡くなってしまったフィリップ・ロスですが、あえてデビュー作を読んでみました。60年も前の作品なのにものすごく瑞々しかったです。恋愛と人種と青春が交錯するなんて本当に素晴らしい。

10月22日月曜日読売新聞夕刊にインタビューが掲載されます

2018年10月22日月曜日の読売新聞夕刊に僕のインタビューが掲載されます。
https://www.yomiuri.co.jp/
「本の仕事場」というコーナーで、翻訳の仕事について語っています。大学の研究室で2時間ほどしゃべったのですが、すごく見事な記事にまとめられていました。ありがとうございます。しかも田中未樹さんの素晴らしいイラスト付きです。

10月20日の朝日新聞で円城塔『文字渦』を書評しました

2018年10月20日の朝日新聞朝刊書評欄で円城塔『文字渦』を書評しました。
https://book.asahi.com/article/11892111
円城さんがここまで中国や漢字にのめり込んでいるとは知りませんでした。まるで現代のボルヘスのようです。生き物としての漢字の持つ官能性の物語として読みました。すごい作品だと思います。

2018年10月18日木曜日

連載エッセイ『街と小説』吉祥寺編、松家仁之『優雅なのかどうか、わからない』アップしました

連載エッセイ『街と小説』吉祥寺編第4回、松家仁之『優雅なのかどうか、わからない』をアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/10/4-3.html
井の頭公園の周辺ということで、ジブリ美術館と松家さんの小説について書きました。松家さんは20年ほど前、僕にジョン・アーヴィングの『未亡人の一年』を依頼してくださった恩人です。そのあとまさか本人が小説家になるとは。この本もとても面白かったです。

10月13日の朝日新聞で久住邦晴『奇跡の本屋をつくりたい』を書評しました

2018年10月13日の朝日新聞朝刊書評欄で久住邦晴さんの『奇跡の本屋をつくりたい』を書評しました。
https://book.asahi.com/article/11877405
ミシマ社の本はどれも大好きなんですけど、これも手に取ったまま一気に読み切ってしまいました。
北海道の書店主である久住さんが突然覚醒し、いろんな企画を立て続けに仕掛けて有名になるも店は倒産、本人もガンで亡くなるまでのすさまじい記録です。とにかく久住さんの気持ちが熱い。本を愛する全ての人に読んでほしいなあ。

11月09日に神保町で村上春樹について鼎談をします

2018年11月09日に神保町ブックセンターで村上春樹について、アルフレッド・バーンバウムさん、辛島デイヴィッドさんと鼎談をします。
https://www.jimbocho-book.jp/502/
チケットは前売り1500円ドリンク付です。とはいえ、当日も会場まで行けば入れるのではないでしょうか。
このたび、みすず書房から辛島さんの『Haruki Murakamiを読んでいるときに我々読んでいる者たち』が発売されました。それを記念して、村上春樹作品を何冊も翻訳しているバーンバウムさんを交えて鼎談をします。
アメリカの大学院に留学していたとき、バーンバウムさんの訳した『ノルウェイの森』英語版を巡って授業でディスカッションしたこともあるので、なんだか感慨深いです。人生ってわからないものですね。
ご興味があれば。

2018年10月6日土曜日

『週刊新潮』で吉田篤弘『おるもすと』を書評しました

『週刊新潮』2018年10月11日号で吉田篤弘の『おるもすと』(講談社)を書評しました。
https://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/
ごく薄い本ですが、心の底までスーッとしみ通ってくる作品です。児童文学のような言葉遣いでここまで深い表現ができるなんて、吉田篤弘さんは本当に優れた書き手だと思いました。

10月16日の朝日新聞で保坂和志『ハレルヤ』を書評しました

2018年10月16日の朝日新聞朝刊書評欄で保坂和志『ハレルヤ』(新潮社)を書評しました。
https://book.asahi.com/article/11862952
ここで全文を読むことができます。
猫の死に寄り添いながら多方向に拡がっていく思考を辿っていくのがとてもスリリングな作品です。保坂さんは本当に高度な試みをされていると思います。お奨め。

10月13日にB&Bで川原瑞丸さんとサリンジャーについて対談をします

2018年10月13日に下北沢のB&Bでイラストレーターの川原瑞丸さんとサリンジャーについて対談をします。
http://bookandbeer.com/event/20191013_b/
隠遁の作家サリンジャーに憧れた高校生が彼を探しながら自分の道を見つける、という映画『ライ麦畑で出会ったら』の公開にちなんで、川原さんと映画やサリンジャーの作品について語り合います。『キャッチャー・イン・ザ・ライ』や『フラニーとズーイ』にご興味がある方、いらしていただけたら嬉しいです。
川原さんはイラストで映画や本のレヴューもやっている方で、その多くをウェブサイトで見ることができます。
https://mizmaru.com/
山内マリコさんの『買物とわたし』(文春文庫)には川原さんの絵がカラーで大量に収録されておりお買い得です。僕も今読んでます。

2018年10月2日火曜日

連載エッセイ『街と小説』吉祥寺編、井伏鱒二『荻窪風土記』アップしました

立東舎のサイトで連載中のエッセイ『街と小説』吉祥寺編、井伏鱒二『荻窪風土記』の章をアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/10/4-2100.html
井伏ならではの淡々とした、でもユーモアのある文体でくだらないことから深刻な話題までどんどん続いていく名著です。100年前の文士たちが、まるで売れないバンドマンのように中央線沿線に集まっていた、という話が僕としてはツボでした。場所の色ってやっぱりあるんですね。

2018年9月17日月曜日

『英語教育』でレーヴィット「テリトリー」について書きました

『英語教育』2018年10月号でデイヴィッド・レーヴィット「テリトリー」について書きました。
https://www.taishukan.co.jp/book/b376580.html
レーヴィットの作品は日本でもだいぶ前に流行りましたが、あらためて読み返してみると、ゲイノベルとしてとても高い完成度を誇っていると思います。表面的にはリベラルだが内心、ゲイを嫌悪している親にカミングアウトする、という設定のこの短編を読んでいるととても切なくなります。

2018年9月16日日曜日

『週刊新潮』で澤西祐典『文字の消息』を書評しました

『週刊新潮』2018年9月13日号で澤西祐典さんの『文字の消息』を書評しました。
https://www.bookbang.jp/review/article/558268
 全文をここで読むことができます。
限りなく文字が降ってくる、という突飛な設定ですが、だんだんとその世界に読者はなじんでいきます。現実を誇張することで今の時代について考える、というのは文学の王道なのではないでしょうか。優れた作品だと思いました。

2018年9月15日土曜日

朝日新聞で朝吹真理子『Timeless』を書評しました

朝日新聞2018年9月15日朝刊で朝吹真理子さんの『Timeless』を書評しました。
https://book.asahi.com/article/11817849
美しい文章で書かれた仕掛けの多い作品ですが、微かな違和感を感じる部分をつなぎ合わせると、虐待や心の傷といったテーマが見えてきます。『流跡』『きことわ』と優れた日本語を生み出し続けている朝吹さんですが、久しぶりの長編では加えて、家族や歴史といった大きなテーマと向き合っています。

2018年9月13日木曜日

連載エッセイ『街と小説』吉祥寺編、太宰治『ヴィヨンの妻』アップしました

立東舎のサイトで連載しているエッセイ『街と小説』、吉祥寺編の太宰治『ヴィヨンの妻』の章をアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/09/4-1.html
あらためて読み返してみると、『ヴィヨンの妻』はなかなかすさまじいですよね。アル中の夫に振り回される周囲の人々の苦悩がよく伝わってきます。作品には戦後すぐの井の頭公園も出てきます。

2018年9月11日火曜日

朝日新聞で温又柔『空港時光』を書評しました

2018年9月8日の朝日新聞朝刊で温又柔さんの『空港時光』(河出書房新社)を書評しました。
https://book.asahi.com/article/11802548
 エッセーと小説を組み合わせて温さんは、台湾と日本の複雑な関わり合いについて考えていきます。僕は温さんの作品に出てくる、中国語と台湾語と日本語が混ざった「お母さん語」が大好きで、いつもこうしたものに新たな可能性を感じます。

2018年9月4日火曜日

連載エッセイ『街と小説』、吉祥寺編プロローグをアップしました

立東舎のサイトで連載しているエッセイ『街と小説』、吉祥寺編プロローグをアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/09/4-0.html
今ではお洒落都市ナンバーワンの吉祥寺ですが、僕の小学生時代はのんびりした地方都市でした。あのころののどかな吉祥寺を思い出しながら書きました。

2018年9月1日土曜日

9月8日に台湾のミュージシャン、蕭芸安さんのライブがあります

9月8日に、台湾のミュージシャンである蕭芸安さんが
来日して西荻窪のスタジオでライブをやります。
https://www.facebook.com/events/716955828649706/?ti=ia
時間は17時から、入場料は千円、場所は
sound wagon studio
https://swstudio.jp/
です。西荻窪から歩いて3分だそうです。
蕭芸安さんの動画はyoutubeでも上がっていますが、極度におしゃれな感じです。
https://www.youtube.com/watch?v=NmUsvS5MIJk
https://www.youtube.com/watch?v=Vqnq5OA0s6o
https://www.youtube.com/watch?v=XVoNZtLnq9I
ご興味があれば。

2018年8月27日月曜日

『朝日新聞』でダニエル・ヘラー=ローゼン『エコラリアス』を書評しました

 『朝日新聞』2018年8月25日朝刊でダニエル・ヘラー=ローゼンの『エコラリアス』(関口涼子訳、みすず書房)を書評しました。
https://book.asahi.com/article/11768184
ヘラー=ローゼンは膨大な知識を駆使しながら、忘却の意義について語ります。ふつう忘れることはダメですが、むしろ忘れるからこそ、言葉も文化も変化し、人も生きていける、というのがその主張です。確かに、アンラーニングできるほうが人間、成長を続けられる、ということもありますよね。
僕が好きだったのはエリアス・カネッティのエピソードです。ラディーノ語とドイツ語を聞きながらブルガリアで育ち、なおかつ途中から母親に強制的にドイツ語を学ばされ、いつしかそれが母語になってしまう、というだけですごい。大変な人生ですね。
こうした作品を翻訳なさった関口さんの実力に圧倒されました。

2018年8月24日金曜日

連載エッセイ『街と小説』、ロサンゼルス編ブコウスキー『パルプ』をアップしました

立東舎のサイトで連載しているエッセイ『街と小説』、ロサンゼルス編のブコウスキー『パルプ』をアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/08/3-3.html
罪のないおちゃらけのように見える本作ですが、実は人生や死への深い思索に支えられています。深刻な内容を軽く書く、というところにブコウスキーの作家としての凄みを感じます。

2018年8月23日木曜日

クレストブックス20周年記念冊子で僕の3冊を選びました

クレストブックス20周年記念冊子「海外文学のない人生なんて」で僕の3冊を選びました。
http://www.shinchosha.co.jp/crest/
僕が選んだのは、
ミランダ・ジュライ『いちばんここに似合う人』(岸本佐知子訳)
テジュ・コール『オープン・シティ』(小磯洋光訳)
セサル・アイラ『文学会議』(柳原孝敦訳)
です。

2018年8月21日火曜日

『中央公論』で松山巖さん、桜庭一樹さんと鼎談しました

『中央公論』2018年9月号で松山巖さん、桜庭一樹さんと鼎談をしました。
http://www.chuko.co.jp/chuokoron/newest_issue/index.html
タイトルは「読み継ぎたい戦争文学」で、僕は以下の5冊について話しました。

田中小実昌『ポロポロ』(河出文庫)
カート・ヴォネガット『スローターハウス5』(ハヤカワ文庫)
ティム・オブライエン『本当の戦争の話をしよう』(文春文庫)
J. D. サリンジャー『このサンドイッチ、マヨネーズ忘れてる』(新潮社)
ヴィエト・タン・ウェン『シンパサイザー』(ハヤカワ・ミステリ文庫)

松山さんも桜庭さんも何でも知っていて、なおかつ人柄も良く、とても楽しく鼎談できました。松山さんとは10年前に『読売新聞』で書評委員として毎月お目にかかっていたこともあり、とても懐かしかったです。

2018年8月20日月曜日

『朝日新聞』で宇田智子『市場のことば、本の声』を書評しました

『朝日新聞』2018年9月18日朝刊で宇田智子『市場のことば、本の声』(晶文社)を書評しました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13640385.html?iref=pc_ss_date
宇田さんの本は『那覇の市場で古本屋』(ボーダーインク)、『本屋になりたい』(ちくまプリマー新書)とすべて読んでいますが、どれもとても良いですね。とにかく文章が素晴らしい。先入観なく周囲を見て、それを伝わる文章で書ける人というのはなかなかいません。お奨めです。

2018年8月18日土曜日

『ほんのひとさじ』にエッセイを書きました

『ほんのひとさじ』vol.9 2018年7月15日号(書肆侃侃房)にエッセイを書きました。
http://www.kankanbou.com/index.php
特集は「窓」で、僕のエッセイのタイトルは「ペクト山に登る」です。

2018年8月17日金曜日

『漱石全集』第13巻の月報にエッセイを書きました

『定本 漱石全集』(岩波書店)第13巻の月報にエッセイを書きました。
https://www.iwanami.co.jp/news/n17359.html
タイトルは「漱石の強くて優しい声」です。この13巻に収録されている『英文学形式論』は講義録なのですが、外国人にとって英文学はどこがわかりにくいかを探る衝撃の内容になっています。どうわかるかではなく、どうわからないかについて漱石が考えたことの意義について考察してみました。

2018年8月16日木曜日

English Journalでワシントン大行進とお奨め文学・映画・音楽について書きました

English Journal 2018年9月号でワシントン大行進とお奨め文学・映画・音楽について書きました。
https://www.alc.co.jp/ej/
公民権運動の歴史をたどりました。とても勉強になりました。お奨めした作品は以下のとおりです。

コルソン・ホワイトヘッド『地下鉄道』(早川書房)
ジョン・ルイス他『MARCH』(岩波書店)
チャイルディッシュ・ガンビーノ"This is America"
ブルーノ・マーズ 24K Magic
バリー・ジェンキンズ『ムーンライト』
ラウル・ペック『私はあなたのニグロではない』

2018年8月15日水曜日

『文學界』で堀江敏幸さんにインタビューをしました

『文學界』2018年9月号で堀江敏幸さんにインタビューをしました。
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/
堀江さんっていつ会っても素敵ですよね。今回は『雪沼とその周辺』『河岸忘日抄』『魔法の石板』という三冊を中心にお話しいただきました。こういう静かなユーモアを湛えた大人にいつかなりたいです。

2018年8月14日火曜日

映画『私はあなたのニグロではない』パンフに推薦文と推薦図書を載せました

2018年5月公開の映画『私はあなたのニグロではない』のパンフレットに推薦文と推薦図書を載せました。
http://www.magichour.co.jp/iamnotyournegro/
作家ジェイムズ・ボールドウィンと公民権運動の歴史を探った傑作ドキュメンタリーです。僕は『フレデリック・ダグラス自伝』を勧めました。

2018年8月13日月曜日

『英語教育』で温又柔さんと対談しています

『英語教育』2018年9月号で作家の温又柔さんと対談しています。
https://www.taishukan.co.jp/book/b373764.html
温さんとサンドラ・シスネロス『マンゴー通り、ときどきさよなら』(白水Uブックス)を読んだのですが、とても驚きました。彼女は日本語を使ってシスネロスの意志を継ごうとしていたのです。
新刊『空港時光』(河出書房新社)も話題ですし、9月には名著『台湾生まれ、日本語育ち』も白水Uブックスで復刊されるようですし、最近の温さんはますますノッていますね。

2018年8月12日日曜日

『すばる』で堀江敏幸『オールドレンズの神のもとで』を書評しました

『すばる』2018年8月号で堀江敏幸さんの『オールドレンズの神のもとで』を書評しました。
http://subaru.shueisha.co.jp/
タイトルは「樹木の力」です。堀江さんの静かで正確な文章には、なんとも言えない厚みがあります。本書に収録された短篇でも、その魅力は遺憾なく発揮されています。素晴らしい作品です。

2018年8月11日土曜日

『朝日新聞』でJ.M.クッツェー『モラルの話』を書評しました

『朝日新聞』2018年8月11日朝刊でJ.M.クッツェー『モラルの話』を書評しました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13631454.html?iref=pc_ss_date
クッツェーの最新作には短く深い短篇が多数収録されています。その多くの主人公は『エリザベス・コステロ』『動物のいのち』などにも登場した、クッツェーの分身たる女性コステロです。コステロと彼女の子供たちとの議論には多くを考えさせられます。
書評では触れませんでしたが、この作品は今のところ、英語以外の言語でしか出ていないようです。英語さえ知っていれば世界のことがなんでもわかる、という英語中心主義への有効な批判にもなっていると思います。

『週刊新潮』で松尾スズキ『もう「はい」としか言えない』を書評しました

『週刊新潮』2018年8月2日号で松尾スズキの『もう「はい」としか言えない』を書評しました。ここで全文を読むことができます。
https://www.bookbang.jp/review/article/556610
松尾スズキの小説もエッセイも大好きです。本書もとても楽しかった。芥川賞は獲れませんでしたが、そんなことぶっ飛ばす面白さがあります。

2018年8月10日金曜日

『朝日新聞』でフィリップ・ロスの三冊について書きました

『朝日新聞』2018年7月28日朝刊でフィリップ・ロスの三冊について書きました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13609858.html?iref=pc_ss_date
取り上げたのは『プロット・アゲンスト・アメリカ』、『父の遺産』、『素晴らしいアメリカ野球』です。
アメリカを代表する作家であるにもかかわらず、現在、新刊で手に入るロスの著作がほんの数冊という情況に驚きました。比較的手に入りやすい三冊を選びましたが、どれも傑作です。

2018年8月9日木曜日

『英語教育』でカート・ヴォネガット『スローターハウス5』について書きました

『英語教育』2018年8月号でカート・ヴォネガットの『スローターハウス5』について書きました。
https://www.taishukan.co.jp/book/b372509.html
戦争小説の名作として名高い本書ですが、読み返してみるとやっぱりいいですね。ユーモアがあって深刻で、とても深い。ヴォネガットの書き手としての力に圧倒されました。

2018年8月8日水曜日

『新潮』で柴崎友香『公園へ行かないか? 火曜日に』について書きました

『新潮』2018年9月号で柴崎友香さんの『公園へ行かないか? 火曜日に』について書きました。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho/
タイトルは「検索の外へ」です。この作品は柴崎友香さんがアイオワ大学の作家向けワークショップに参加した経験をもとに書かれています。この本を読んでいて、自分のアメリカ留学時代を思い出しました。

2018年8月6日月曜日

朝日新聞で山崎佳代子『パンと野いちご』を書評しました

2018年7月21日の朝日新聞朝刊で山崎佳代子『パンと野いちご』を書評しました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13597801.html?iref=pc_ss_date
ユーゴスラビア内戦のとき、クロアチア系やムスリムの難民については多くが語られましたが、セルビア系の難民についてはあまり報道がありませんでした。山崎は実際に元難民たちに会って、彼らの言葉を聞き書きしていきます。戦争のなか正気を保つために、日々料理を続けていたという記述に感銘を受けました。

2018年8月5日日曜日

連載エッセイ『街と小説』、ロサンゼルス編チャンドラー『大いなる眠り』をアップしました

立東舎のサイトで連載している連載エッセイ『街と小説』、ロサンゼルス編チャンドラー『大いなる眠り』をアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/08/3-2.html
チャンドラーはやっぱり面白くて、どんどん読んでしまいます。主人公の探偵、フィリップ・マーロウの人生観が面白かったので、それについて書いてみました。

2018年8月4日土曜日

8月18日にB&Bで岸本佐知子さんとイベントをします

2018年8月18日にB&Bで岸本佐知子さんとイベントをします。
http://bookandbeer.com/event/20180818_a/
タイトルは「「第4回「境界から響く声たち」読書会――ジャネット・ウィンターソンを岸本佐知子さんと読む」で、ジャネット・ウィンターソンの『オレンジだけが果物じゃない』を題材に二人でお話しします。
開演は15時で、料金は前売り1500円、当日2000円、+それぞれ1ドリンクです。
ご興味があれば。

2018年8月1日水曜日

8月12日に神保町の東京堂で英語の勉強について講演します

2018年8月12日に神田神保町の東京堂で英語の勉強について講演します。
https://peatix.com/event/413550/view
時間は昼の12時半からで、入場料は500円です。
タイトルは「わからないから面白い―外国語との付き合い方」で、告知文は以下のとおりです。ちょっとユルめの感じで、自分が今までどう英語と付き合ってきたかについてしゃべろうかと思っています。

「外国語教育は、知らない世界に触れるための大事な教科です。でも文法・単語・会話力など、やらなきゃならないことだらけ。そんな義務感ばかりじゃやる気もおきませんよね。長年、外国文学の紹介や翻訳をしてきた僕が、自分はこんなふうに外国語を楽しんできた、というお話しをさせていただきます。
教師や生徒の頭の中にある「やるべき」を「やりたい」へ変えるにはどうしたらいいのか。さあ、一緒に考えてみましょう。」

この企画は連続講座の一部で、他にもいろんな著者の方が2日にわたってお話をなさるようです。
https://peatix.com/group/2043684/events
ご興味があれば、遊びに来てください。

2018年7月18日水曜日

連載エッセイ『街と小説』、ロサンゼルス編ケイン『郵便配達は二度ベルを鳴らす』をアップしました

立東舎のサイトで連載しているエッセイ『街と小説』、ロサンゼルス編ケイン『郵便配達は二度ベルを鳴らす』をアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/07/3-1.html
このケインの作品は何度読んでもいいですね。乾いた街で、男と女が愛欲の末、堕ちていきます。作品の空気感がまさにロサンゼルス! という感じです。ケインの他の作品も文庫などでたくさん読めればいいのですが。

2018年7月17日火曜日

7月22日にミヤギフトシさん、温又柔さんと鼎談をします

直近ですが、2018年7月22日にミヤギフトシさん、温又柔さんと鼎談をします。
https://www.vacant.vc/single-post/AmericanBoyfriend5
オープンは16時から、スタートは16時半からです。
入場料はドリンク込みで1500円になります。
vacantの場所ですが、東京都渋谷区神宮前3-20-13です。原宿駅から徒歩10分、明治神宮駅から徒歩5分です。以下の地図が便利です。
http://ticket-search.pia.jp/pia/venue/venue_access_map.do?venueCd=VCNT&prefectureCd=13&cityCd=113
主に『文藝』(河出書房新社)掲載されたミヤギさんのアメリカ三部作、そして温さんの新刊『空港時光』などの話になるかと思います。

朝日新聞でジョン・ルイス他『MARCH』を書評しました

2018年7月14日の朝日新聞でジョン・ルイス他『MARCH』を書評しました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13585244.html?iref=pc_ss_date
公民権運動の闘士であるジョン・ルイスの生涯を描いたグラフィック・ノベルです。学校の授業や歴史の本で知ったつもりになっている公民権運動ですが、実際に体験した人の証言は全く違います。殺されるかも知れない情況で運動を続ける恐怖、それでも立ち向かう勇気などが生々しく伝わってきます。信じられないほど凄い本です。

2018年6月30日土曜日

『週刊新潮』で山内マリコ『選んだ孤独はよい孤独』を書評しました

2018年7月5日号の『週刊新潮』で、山内マリコの『選んだ孤独はよい孤独』を書評しました。
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/
気が弱い主人公たちが昔からの悪友や美人の彼女や同棲相手の男につけ込まれ、気づいたら精神も肉体もコントロールされている。さあどうするか、というテーマが繰り返し出てきます。ああ、こういうの読みたかったんだ! というものすごい心の叫びが、僕の中に湧き上がってきました。とても良い作品ですね。それにしても、山内さんはどうしてここまで男心が分かるんでしょう。本気で尊敬します。

朝日新聞で多和田葉子『地球にちりばめられて』を書評しました

2018年6月30日の朝日新聞朝刊で多和田葉子『地球にちりばめられて』を書評しました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13563412.html?iref=pc_ss_date
複数の言語を横断しながら遊び、旅をしていく作品です。読んでいてとても楽しかったです。でもそこには、日本語を日本から解放しようという強い意志が感じられました。ノルウェーやドイツといった今のヨーロッパの空気に満ちた小説ですね。

2018年6月28日木曜日

連載エッセイ『街と小説』、ロサンゼルス編プロローグをアップしました

立東舎のサイトで連載しているエッセイ『街と小説』のロサンゼルス編プロローグをアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/06/3-0.html
アメリカで自動車教習を受けたときの話を書きました。

2018年6月27日水曜日

7月21日にB&BでDJイベントをします

2018年7月21日に下北沢のB&BでDJイベントをします。タイトルは
「B&B 6th Anniversary MUSIC FES」です。
http://bookandbeer.com/event/20180721/
30分の時間をもらったおのおのが好きな曲を書けておしゃべりをし、ついでにサインもする、という企画です。入場料は千円で、一日出入り自由です。
僕の出番は午後3時から3時半です。お気に入りのラップやロックなどをかけようかと思っています。ご興味があれば。

2018年6月24日日曜日

『英語教育』でブコウスキー『郵便局』について書きました

『英語教育』2018年7月号でチャールズ・ブコウスキーの『郵便局』について書きました。
https://www.taishukan.co.jp/book/b370927.html
やっぱり良い本ですね。ブコウスキーは労働の現実を描いた社会派の作家だ、という評価が定着してほしいものです。

紀伊國屋書店笹塚店で「都甲幸治さんの百冊」フェアやってます

紀伊國屋書店笹塚店で「都甲幸治さんの百冊」フェアやってます。
https://www.kinokuniya.co.jp/c/store/Sasazuka-Store/index.html
僕が今読んで面白いと思っている本を百冊(実はそれ以上)選びました。大量のコメントを付け、特別エッセイまで付けた冊子も用意しています。サイン本コーナーも用意しました。ご興味があれば。

2018年6月23日土曜日

『朝日新聞』で黒田龍之助『物語を忘れた外国語』を書評しました

『朝日新聞』2018年6月23日朝刊で黒田龍之助『物語を忘れた外国語』を書評しました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13552709.html?iref=pc_ss_date
黒田龍之助の本は本当に面白いですね。文章は上手いし、ピリッとした皮肉がいいし、おまけにすべての語学学習者に役立つ英知に満ちています。楽しく読める肩の凝らないエッセイのふりをして、ものすごく深いことを言っている本だなあ、と思いながら書評しました。大好き。

『西日本新聞』でフィリップ・ロスの追悼文を書きました

『西日本新聞』2018年6月5日朝刊でフィリップ・ロスの追悼文を書きました。
https://www.nishinippon.co.jp/
現代アメリカで最重要の作家の一人であるにもかかわらず、現在日本で流通している作品は2冊しかありません。もったいないかぎりです。これを機に、少しでも多くの方がロスの作品を読んでくださるといいなあ、と思って書きました。

2018年6月21日木曜日

『朝日新聞』で岸政彦『はじめての沖縄』を書評しました

2018年6月16日付けの朝日新聞朝刊で岸政彦『はじめての沖縄』(新曜社)を書評しました。
岸さんのこの本は文章も空気感もすべてが素晴らしいです。ためらいながら考えるというスタイルがとてもいい。他の本も全部読みたくなりました。

連載エッセイ『街と小説』、金沢編の吉田健一「金沢」がアップされました

立東舎のサイトで連載しているエッセイ『街と小説』、金沢編の吉田健一「金沢」がアップされました。
http://rittorsha.jp/column/2018/06/2-3.html
タイトルは「金沢にはチョコパフェがない」です。
吉田健一の文章はけっこう難しいのですが、読んでいると不思議な時間感覚が体験できます。現代日本文学の一つの極北という感じです。

2018年6月8日金曜日

(再掲)明日6月9日にB&Bでくぼたのぞみさんと対談をします

2018年6月9日にB&Bで翻訳家のくぼたのぞみさんと対談をします。
http://bookandbeer.com/event/20180609_a/
タイトルは「J. M. クッツェーをくぼたのぞみさんと読む」で、発売されたばかりの『モラルの話』(人文書院)や、去年出た『ダスクランズ』(人文書院)を中心に、広くクッツェー作品について話します。楽しみにしています。
まだ残席ございます。ご興味があれば。

2018年6月7日木曜日

中村和恵さん、平凡社ライブラリー編集長Tさんとの鼎談5回目がアップされました

中村和恵さん、平凡社ライブラリー編集長Tさんとの鼎談5回目がアップされました。
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/774
タイトルは「言葉に救われる経験」です。

中村和恵さん、平凡社ライブラリー編集長Tさんとの鼎談4回目がアップされました

中村和恵さん、平凡社ライブラリー編集長Tさんとの鼎談4回目がアップされました。
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/543
タイトルは「〈あいだ〉の世界文学」です。

2018年6月6日水曜日

堀江敏幸さんのインタビューをしました

2018年6月4日に東京大学駒場キャンパスで、堀江敏幸さんの公開インタビューをしました。
http://iibungaku.com/news/15.php
楽しく、深いお話をたくさん聞くことができました。堀江さん、関係者の皆様、どうもありがとうございました。
なお、当日の様子の動画は飯田橋文学会のサイトで公開される予定です。
文章での記録は『文學界』に掲載されたあと、東京大学出版会から書籍として刊行されます。

連載エッセイ『街と小説』、古井由吉「雪の下の蟹」編をアップしました

立東舎のサイトで連載しているエッセイ『街と小説』の、古井由吉「雪の下の蟹」編をアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/06/2-2.html
アイディアに満ちた古井由吉の文章は本当に素晴らしいです。街の上に積もり、うねる雪がいつしか海のイメージに重なり、その下で春を待つ人々は蟹になります。

『週刊新潮』で『須賀敦子エッセンス1』について書きました

2018年6月7日刊行の『週刊新潮』で『須賀敦子エッセンス1』について書きました。
https://www.bookbang.jp/review/article/553846
ここで全文を読むことができます。
素晴らしい文章で綴られていくのは、コルシア書店を中心とした愛の共同体が一度は生まれ、そしてそれが崩壊していく様子です。読んでいると、いつしか自分もその一員となってしまい、だからこそ胸を締め付けられるような気持ちになります。お奨め。

2018年5月24日木曜日

朝日新聞でフィリップ・ロスについてコメントしました

2018年5月24日付け朝日新聞でフィリップ・ロス追悼のコメントをしました。
以下で全文を読むことができます。
https://www.asahi.com/articles/ASL5R4KFGL5RUCVL00L.html
ご冥福をお祈りいたします。

2018年5月20日日曜日

朝日新聞で川上未映子『ウィステリアと三人の女たち』を書評しました

2018年5月12日の朝日新聞で川上未映子『ウィステリアと三人の女たち』を書評しました。ここで全文を読むことができます。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13489780.html?iref=pc_ss_date
川上さんは世界文学の最先端を意識しながら、本当に素晴らしい作品を書いていらっしゃると思います。おすすめです。

朝日新聞で町田康『湖畔の愛』を書評しました

2018年5月19日の朝日新聞で町田康『湖畔の愛』を書評しました。
ここで全文を読むことができます。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13500629.html?iref=pc_ss_date
こうしたとても優れた作品について書く機会を与えていただけて嬉しいです。

TBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演しました

2018年5月17日のTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演しました。
ここで全編を聴くことができます。
https://www.tbsradio.jp/254084
ラジオでは紹介しきれなかった本も載せてくださり、どうもありがとうございます。

2018年5月15日火曜日

6月9日にB&Bでくぼたのぞみさんと対談をします

2018年6月9日にB&Bで翻訳家のくぼたのぞみさんと対談をします。
http://bookandbeer.com/event/20180609_a/
タイトルは「J. M. クッツェーをくぼたのぞみさんと読む」で、発売されたばかりの『モラルの話』(人文書院)や、去年出た『ダスクランズ』(人文書院)を中心に、広くクッツェー作品について話します。楽しみにしています。

5月17日にTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演します

5月17日にTBSラジオ『アフター6ジャンクション』に出演します。
https://www.tbsradio.jp/a6j/
時間は夜8時から45分間で、タイトルは「世界のポップカルチャーの中で今再び盛り上がるブラックパワー特集」です。グラフィック・ノベル『MARCH』(岩波書店)やドキュメンタリー映画『私はあなたのニグロではない』を中心に、文学や映画、音楽について広くお話しする予定です。

5月26日に金原瑞人さんと神保町ブックセンターで対談をします

2018年5月26日に金原瑞人さんと神保町ブックセンターで対談をします。
http://www.jimbocho-book.jp/68/
タイトルは「アメリカで黒人であること」で、グラフィック・ノベル『MARCH』(岩波書店)とジェイムズ・ボールドウィンを巡るドキュメンタリー映画『私はあなたのニグロではない』を中心に、興味の向くままあれこれ話します。尊敬する翻訳家である金原さんとちゃんとお話しするのは初めてなので、とても楽しみです。
時間は夜7時からで、ウェブでの予約が必要です。ご興味があれば。

『英語教育』で中村和恵さんと対談しています

『英語教育』2018年6月号で中村和恵さんと対談しています。
https://www.taishukan.co.jp/book/b360752.html
2月4日に下北沢B&Bで行った、ジーン・リース『カルテット』を巡る対談を再構成しています。とはいえ、中村さんの赤が入りまくってほとんど別物になっていますが。中村さん、あらためてありがとうございます。ご興味があれば。

連載エッセイ『街と小説』、金沢編プロローグと室生犀星編をアップしました。

立東舎サイトでの連載エッセイ『街と小説』、金沢編のプロローグと室生犀星『幼年時代』編をアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/04/2-0.html
http://rittorsha.jp/column/2018/05/2-1.html
高校時代に金沢に住んでいたのですが、当時は黒いカレーを金沢カレーだとも気づかず食べていたなあ、なんて思いながら書きました。
僕の好きな室生犀星『幼年時代』ですが、読み返すとやっぱり泣けます。僕が住んでいたのは寺町だったのですが、そこから近い犀川沿いの野町、と言われるだけで懐かしくてしょうがないです。

2018年4月22日日曜日

『英語教育』にジュノ・ディアス『ハイウェイとゴミ溜め』について書きました

『英語教育』2018年5月号にジュノ・ディアス『ハイウェイとゴミ溜め』について書きました。
https://www.taishukan.co.jp/book/b358311.html
やっぱりディアスのデビュー作は何度読んでも切ないですよね。豊かな生活を求めて父親が先にアメリカ合衆国に移民することで、一家は結局離散してしまいます。最近は気軽にグローバリゼーションなんて言葉を僕らは口にしますが、当事者の感情は本当に複雑です。

『こころ』で夏目漱石『それから』について書きました

『こころ』2018年第42号で夏目漱石『それから』について書きました。
http://www.heibonsha.co.jp/book/b353551.html
タイトルは「愛の不在--夏目漱石『それから』」です。
最近、夏目漱石の作品を固めて読んでいるのですが、どれも昔読んだときの記憶と違っていて面白いですよね。大人になるといろいろ楽しめる作品が増えて嬉しいです。

2018年4月21日土曜日

『週刊新潮』でキム・グミ『あまりにも真昼の恋愛』について書きました

『週刊新潮』2018年4月26日号でキム・グミ『あまりにも真昼の恋愛』(すんみ訳、晶文社)について書きました。
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/
キム・グミは韓国の若手作家で、今の若者の感覚を上手く掴んでいる作家です。おずおずとして言い出せないとか、どうしても心がすれ違ってしまうとか。クールでシャイな感じは現代の日本にも通じるのではないでしょうか。
訳者のすんみさんは古井由吉の研究をしたり、柄谷行人『漱石論集成』を韓国語に訳したりしている俊英です。彼女の日本語は本当にすごい。こうした優れた人がどんどん出てくるなんて頼もしいかぎりですね。

朝日新聞でファン・ジョンウン『野蛮なアリスさん』を書評しました

2018年4月21日の朝日新聞朝刊でファン・ジョンウン『野蛮なアリスさん』(斎藤真理子訳、河出書房新社)を書評しました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13460736.html?iref=pc_ss_date
時に幻想を交えながら、朝鮮戦争の記憶や家庭内の暴力がどんなふうに隠されながら、こどもたちの心を蝕んでいくかが描かれます。展開も文章も本当に新しくて、現代韓国文学では真の革新が行われていることがよくわかる作品です。斎藤真理子さんの翻訳も最高でした。

2018年4月20日金曜日

連載エッセイ『街と小説』、大江健三郎『死者の奢り』編をアップしました

立東舎サイトでの連載エッセイ『街と小説』、大江健三郎『死者の奢り』編をアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/04/1-3.html
大学時代読んで以来、こんな恐い水槽があるんだろうか、なんてぼんやり考えたりしてきました。今回読み直すと、クッツェー『恥辱』などに通じるテーマが感じられたりして、やっぱりすごかったです。

2018年4月19日木曜日

東直子さん『晴れ女の耳』(角川文庫)の帯書きました

東直子さんの小説『晴れ女の耳』(角川文庫)の帯文を書きました。
https://www.kadokawa.co.jp/product/321712000392/
紀州の森を舞台とした、とても優れた作品です。尊敬する東さんの本の帯文を書けるなんて、とても光栄です。

2018年4月7日土曜日

『すばる』でT・コラゲッサン・ボイル「わが人生の恋人」を翻訳しました

『すばる』2018年5月号でT・コラゲッサン・ボイル「わが人生の恋人」を翻訳しました。
http://subaru.shueisha.co.jp/
高校を出てちょうど大学に入ったばかりのカップルに子供ができて・・・・・・という話ですが、思わぬ展開に驚きます。英語だとサッと読めて面白い感じですけど、訳すとけっこう難しいですね。細かいところまで工夫されている感じで。
ボイルは僕が留学していた南カリフォルニア大学の先生でした。受業は取ったことがないのですが、思わず姿が浮かんできて、なんだか懐かしかったです。
特集「ぼくとフェミニズム」のために訳したのですが、他の方の作品も力作揃いですね。僕としては、大好きな横尾忠則さんのインタビューが載っていたのが嬉しかったです。

朝日新聞でアジェンデ『日本人の恋びと』を書評しました

2018年4月7日の朝日新聞朝刊でイサベル・アジェンデ『日本人の恋びと』(河出書房新社)を書評しました。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13440257.html?iref=pc_ss_date
ナチの迫害から逃れてきた少女と日系人の若者が戦前のカリフォルニアで出会う、というだけでものすごく興味を惹かれました。次はどうなるの、とぐんぐん物語に引き込まれ、息もつけません。やっぱりアジェンデはすごい、と思ってしまいました。
チリ出身のアジェンデがスペイン語でカリフォルニアについて書く、この混淆した感じがまさに現代文学なのでしょう。とても良い作品です。お奨め。
4月から朝日新聞の書評委員になりました。優れた作品を選んで行けたらいいなあ、と思っております。どうぞよろしくお願いします。

2018年4月4日水曜日

連載エッセイ『街と小説』、森鴎外『青年』編をアップしました

立東舎のサイトに連載エッセイ『街と小説』、森鴎外『青年』編をアップしました。
http://rittorsha.jp/column/2018/04/1-2.html
これは国内外の街を背景とした文学作品について語りながら、自分の体験の話もする、という連載です。今回は第1章「本郷編」の2、森鴎外『青年』についてです。

中村和恵さん、平凡社ライブラリー編集長Tさんとの鼎談3回目がアップされました

中村和恵さん、平凡社ライブラリー編集長Tさんとの鼎談3回目がアップされました。
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/523
タイトルは「〈家族をつくる〉ということ」です。

2018年3月28日水曜日

中村和恵さん、平凡社ライブラリー編集長Tさんとの鼎談2回目がアップされました

中村和恵さん、平凡社ライブラリー編集長Tさんとの鼎談2回目がアップされました。
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/511
タイトルは「〈LGBT〉のリアル」です。ご興味があれば。

2018年3月24日土曜日

中村和恵さん、平凡社ライブラリー編集長Tさんとの鼎談1回目がアップされました

中村和恵さん、平凡社ライブラリー編集長Tさんとの鼎談1回目が岩波書店のサイトにアップされました。
https://tanemaki.iwanami.co.jp/posts/467
これは以前ジャッキー・ケイ『トランペット』(中村和恵訳)出版記念イベントとして、クリスマス当日に(!)行われたものです。
タイトルは「LGBTと世界文学」で、作品の話からいろんな方向に拡がっていきます。ご興味があれば。

2018年3月23日金曜日

『週刊新潮』でザカリーヤー・ターミル『酸っぱいブドウ/はりねずみ』について書きました

『週刊新潮』でザカリーヤー・ターミル『酸っぱいブドウ/はりねずみ』(白水社)について書きました。
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/
シリア文学を代表する存在であるターミルは、いまやアラビア語圏を代表する小説家であり、児童文学者です。タッチは童話なのに、書かれているのは残酷で暴力的な現代社会、という不思議な味わいの作品に仕上がっています。
もう亡くなってしまった両親と暮している子供時代の回想が、僕としてはグッときました。お奨めです。

2018年3月21日水曜日

『すばる』で温又柔さんと対談しました

『すばる』2018年4月号で温又柔さんと対談しました。
http://subaru.shueisha.co.jp/
「居場所を肯定する力」という題名で、話題作『真ん中の子どもたち』について語り合っています。
温さんと話すといつも楽しいですね。4月1日にはまた下北沢B&Bで対談をします。楽しみです。
http://bookandbeer.com/event/20180401_a/

『新潮』でデリーロ「痒み」を訳しました

『新潮』2018年4月号でドン・デリーロの短篇「痒み」を訳しました。
http://www.shinchosha.co.jp/shincho/
離婚した男性が全身の痒みに襲われる、というだけの短篇ですが、切り詰められた文章が心地よいです。やっぱりデリーロはすごく魅力のある作家だなあ、としみじみ感じました。

2018年3月18日日曜日

『ほんのひとさじvol.8』2018年3月1日号にエッセイを書きました

書肆侃侃房のPR誌『ほんのひとさじvol.8』2018年3月1日号にエッセイを書きました。
駅特集で、「香椎駅のこと」というタイトルです。
http://www.kankanbou.com/kankan/
ご興味があれば。

2018年3月17日土曜日

『英語教育』4月号にシルヴィア・プラス『ベルジャー』について書きました

『英語教育』(大修館書店)2018年4月号にシルヴィア・プラス『ベルジャー』について書きました。
https://www.taishukan.co.jp/book/b355369.html
これは「境界から響く声たち--現在を映す20世紀文学」という連載の第1回です。今の視点から、20世紀文学の古典を読み返していきます。
この連載に関連して、下北沢B&Bでは全4回のイベントを予定しています。1回目中村和恵さんとジーン・リース『カルテット』を読みました。2回目は4月1日で、温又柔さんとサンドラ・シスネロス『マンゴー通り、ときどきさよなら』を読みます。ご興味があれば。
http://bookandbeer.com/event/20180401_a/


2018年3月16日金曜日

4月4日に絵本作家の長田真作さんとイベントをします

2018年4月4日に絵本作家の長田真作さんとイベントをします。
https://goo.gl/Tkmfdq
https://goo.gl/geC7oQ
場所はReadin’ Writin’ BOOK STOREで、入場料は1000円、時間は18時半会場、19時スタートです。
宣伝文は以下の通りです。ご興味があれば。

絵本作家の長田真作さんとアメリカ文学者の都甲幸治さんをお招きして、『すてきなロウソク』(共和国)刊行記念トーク「絵本と世界文学」を4月4日(水)に開催します。
 
あのモンスターコミック『ONE PIECE』の絵本版『光と闇と:ルフィとエースとサボの物語』を刊行して、いまもっとも脚光を浴びている絵本作家、長田真作さん。
その記念すべき10作目が、共和国から1月に発売された『すてきなロウソク』です。
そこで今回はアメリカ文学者の都甲幸治さんをゲストにお招きして、絵本というジャンルを超えた、〈世界文学〉の視点から長田さんの作品を読んでみようというトークイベントです。
白と黒だけで構成された画面にうかぶ、とんがりあたまのパロムのロウソク。このロウソクの火がいろんな人の手にわたり、世界を照らすと……。
長田さんの『すてきなロウソク』は、不思議な読後感を呼びおこす傑作ですが、では、こうした表現は、文学なのでしょうか、それともアートなのでしょうか? 
絵を見るだけなら、ことばを超えて世界に通用するのでしょうか? 
そうしたテーマを、これまで〈世界文学〉の視点から多数の評論や翻訳を送り出してきた都甲幸治さんと一緒に、存分に語りあっていただきます。
 
2018年4月4日(水)午後6時半開場/午後7時開演
参加費1000円
ご予約・お問い合わせはinfo@readinwritin.net/電話03-6321-7798
 
長田真作(ながた・しんさく)
1989年、広島県生まれ。2016年より絵本作家としてデビュー。これまでに13作を発表しているほか、雑誌連載やアパレルとのコラボレーションなど、多岐にわたって活躍中。
近作に、『光と闇と:ルフィとエースとサボの物語』(集英社)、『ちなつくん』『ことはちゃん』(イースト・プレス)、『風のよりどころ』(国書刊行会)、『もうひとつのせかい』(現代企画室)などがある。
 
都甲幸治(とこう・こうじ)
1969年、福岡県生まれ。早稲田大学教授、翻訳家。「世界文学」を切り口に、わかりやすく明晰な批評・書評が、文芸誌や新聞でもつねに話題の気鋭のアメリカ文学者。
おもな著書に、『狂喜の読み屋』(共和国)、『21世紀の世界文学30冊を読む』(新潮社)、『世界の8大文学賞:受賞作から読み解く現代小説の今』(共著、立東舎)など。
おもな翻訳に、チャールズ・ブコウスキー『勝手に生きろ』(河出文庫)、ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』(共訳、新潮社)、ドン・デリーロ『天使エスメラルダ 9つの物語』(共訳、新潮社)など多数。

連載エッセイ『街と小説』アップしました

立東舎のサイトに連載エッセイ『街と小説』をアップしました。
http://rittorsha.jp/column/cat10/
これは国内外の街を背景とした文学作品について語りながら、自分の体験の話もする、という連載です。今回は第1章「本郷編」のプロローグと夏目漱石『三四郎』についてです。

2018年3月15日木曜日

4月1日にB&Bで温又柔さんとイベントをします

2018年4月1日15時から、下北沢B&Bで温又柔さんとイベントをします。
http://bookandbeer.com/event/20180401_a/
タイトルは「シカゴの少女時代」で、サンドラ・シスネロス『マンゴー通り、ときどきさよなら』(白水Uブックス近刊予定)について語り合います。
英語にスペイン語が混じるこの本を読んで、台湾出身の温さんは大いに影響を受けたそうです。ご興味があれば!

2018年2月24日土曜日

『週刊新潮』で星野智幸『焔』について書きました

 『週刊新潮』2018年3月1日号で星野智幸『焔』(新潮社)について書きました。
http://www.shinchosha.co.jp/shukanshincho/
最近の星野智幸は本当にすごいです。『俺俺』『夜は終わらない』『呪文』と力作揃いです。相撲エッセイ『のこった』も良かったなあ。不寛容など現代社会の病理と、それを跳ね返していく力について星野さんは一貫して書いています。その勇気が素晴らしい。しかも作品が面白い。まさに言うことなしですよね。

2018年2月20日火曜日

『Figaro Japon』でキム・エラン『走れ、オヤジ殿』について書きました

『Figaro Japon』2018年4月号でキム・エラン『走れ、オヤジ殿』について書きました。
https://madamefigaro.jp/
キム・エランの短編集に出てくる、ちょっとした優しさや詩的な表現がしみてきます。表題作は、失踪した父親が世界を走り続けているのだろうと夢想することで心を保つ子どもの話。こういうのも切ないなあ。

2018年2月19日月曜日

『現代思想』で坂口恭平『モバイルハウスのつくりかた』について書きました

『現代思想』2018年3月増刊号『現代を生きるための映像ガイド』で坂口恭平『モバイルハウスのつくりかた』について書きました。
http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3129
坂口恭平の映画『モバイルハウスのつくりかた』は所有や人間関係を巡る彼の独自な思想が息づいています。今回はアダム・スミスやジョン・ロックの古典的な思考を杖としながら、彼の気づきについて考えてみました。ギブ・アンド・テイク、損になることは避け得になることをする、という僕らが慣れ親しんできた従来の価値観から、ギブ・アンド・ギブへとどうやったら変われるのか。坂口の思考は我々に多くの示唆を与えてくれています。ご興味があれば。

2018年2月3日土曜日

再掲 明日2月4日にB&Bで中村和恵さんとイベントをします

明日2018年2月4日にB&Bで中村和恵さんとイベントをします。
http://bookandbeer.com/event/20180204_tokoudokusyokai/

タイトルは「第1回「境界から響く声たち」読書会 カリブ海からパリへ――ジーン・リースを中村和恵さんと読む」です。
20世紀英語圏文学の代表的なものを読んでいくという企画で、今回はカリブ海文学の代表的な書き手であるジーン・リースの『カルテット』を中心に扱います。もちろん代表作『サルガッソーの広い海』の話もします。ご興味があれば。
『カルテット』文豪によるセクハラの話ですが、びっくりするほど迫真的です。古い作品だとは感じさせません。この作品には岸本佐知子さんによる日本語訳もあります。もちろん『サルガッソー』もとても面白いです。

2018年1月30日火曜日

『カズオ・イシグロ読本』(宝島社)に寄稿しました

2017年12月に発売された『カズオ・イシグロ読本』(宝島社)に寄稿しました。
http://tkj.jp/book/?cd=02793901&path=&s1=
タイトルは「間(はざま)の文学--1.5世としてのカズオ・イシグロ」です。
日本人であり、同時にイギリス人でもあるという存在の仕方からこそイシグロ文学が生まれている、という話を書きました。幼少期に外国に渡った作家たちであるジュノ・ディアス、ヴィエト・タン・ウェン、温又柔についても触れました。

『週刊新潮』でタヴァーリス『家宝』について書きました

『週刊新潮』2018年2月1日号でズウミーラ・ヒベイロ・タヴァーリス『家宝』について書きました。
ここで全文を読むことができます。
https://www.bookbang.jp/review/article/546566
これを読むと、ブラジル文学がいかに成熟しているかがわかります。ゲイである事を隠して生きる判事の結婚をきっかけに嘘が嘘を呼び、だからこそそこに禁断の愛の真実が生じる、という展開はとても高度です。しかも家宝であるルビーの真贋が比喩としてずっと展開されるというのもお洒落。
今まで中南米文学はスペイン語圏のものしか読んでいなかったのですが、どうしてどうして、ポルトガル語圏のものも、また違った味わいで多いに楽しめますね。お勧め。

『週刊現代』で町田康『生の肯定』について書きました

『週刊現代』2017年1月17日号で町田康の『生の肯定』について書きました。
http://gendai.ismedia.jp/list/author/wgendai
『どつぼ超然』『この世のメドレー』と続いてきた「余」を巡る三部作がようやく完結しました。面白さはいつもの町田作品の通りですが、まとめて1000ページ近くを読むと、その向こう側にあるシリアスな問いかけに気づかざるを得ません。人はなぜ生きるのか、言葉はどこで意味を超えるのか。僕らはもうそろそろ、非常に真面目で深い作家として町田康を読み直す時期に来ていると思います。

2018年1月27日土曜日

2月4日にB&Bで中村和恵さんとイベントをします

2018年2月4日にB&Bで中村和恵さんとイベントをします。

http://bookandbeer.com/event/20180204_tokoudokusyokai/

タイトルは「第1回「境界から響く声たち」読書会 
カリブ海からパリへ――ジーン・リースを中村和恵さんと読む」です。
20世紀英語圏文学の代表的なものを読んでいくという企画で、今回はカリブ海文学の代表的な書き手であるジーン・リースの『カルテット』を中心に扱います。もちろん代表作『サルガッソーの広い海』の話もします。ご興味があれば。

2018年1月16日火曜日

1月16日に和洋女子大で講演をします

1月16日(本日ですが)に和洋女子大で講演をします。タイトルは「越境の文学― カズオ・イシグロと移動する作家たち」 で、午後1時スタートです。
詳細は以下のサイトでご確認ください。
http://www.wayo.ac.jp/event/tabid/111/Default.aspx?itemid=2028&dispmid=521
一般公開で、入場無料になっています。ご興味があれば。

2018年1月10日水曜日

Korean Literature Nowで金呂玲『優しい嘘』について書きました

Korean Literature Nowの2017年冬号で金呂玲『優しい嘘』(書肆侃侃房)について書きました。
https://koreanliteraturenow.com/fiction/reviews/kim-ryeoryeong-darkness-school-darkness-society-sublime-lies-kim-ryeoryeong
ここで全文を読むことができます。ただしログインが必要です。
映画にもなった『優しい嘘』ですが、子供がいじめで追い込まれていく様は凄まじいです。ご興味があれば。