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2017年10月29日日曜日

『Them Magazine』でジョン・ファンテ『塵に訊け!』について書きました

『Them Magazine』2017年冬号でジョン・ファンテ『塵に訊け!』(DHC)について書きました。
http://themmagazine.net/magazine
『塵に訊け!』は15年ほど前、僕がロサンゼルスに留学していたころ翻訳した作品です。コロラド州からロサンゼルスに出てきた作家志望のイタリア系の青年が差別と闘い、感情をぶちまけながら夢に近づいていく、という話になっています。この原稿にために久しぶり読み返したのですが、やっぱりファンテは優れた書き手だな、としみじみ思いました。
それにしてもこの本について7000字も書かせてくれるというのは、Them Magazineってすごい雑誌ですね。これを機に、『塵に訊け!』が復刊されたらすごく嬉しいです。

2017年10月22日日曜日

『週刊新潮』で吉村萬壱『回遊人』について書きました

『週刊新潮』2017年10月26日号で吉村萬壱さんの『回遊人』について書きました。
https://www.bookbang.jp/review/article/540577
ここで全文を読むことができます。
もしも人生をやり直せたら、あのとき別の選択をしていたら、と思うこと、誰にでもありますよね。『回遊人』の主人公である売れない作家は、なんと10年前からやり直せる薬をある店で見つけてしまいます。もっとセクシーな女性と結婚していたら、ベストセラー作家になっていたら。次々と夢がかなっていくものの、予想外の苦難が彼を待っていました。
中年男性の欲望をものすごく正直に書く、という作品は今時なかなかありません。でも文学って、もともとそういうものですよね。読んでいて、思わずものすごく引き込まれてしまいました。お勧めです。

2017年10月15日日曜日

『たべるのがおそい』vol.4にエッセイを書きました

『たべるのがおそい』vol.4(書肆侃々房)にエッセイを書きました。
http://www.kankanbou.com/kankan/index.php?itemid=823
タイトルは「読んでいて涙が出る本」です。
主に末井昭『結婚』(平凡社)、今村夏子『こちらあみ子』(ちくま文庫)、戌井昭人『俳優・亀岡拓次』(文春文庫)について書きました。どもれいいなあ。
とはいえ、パク・ミンギュ『ピンポン』(白水社)、アダム・スミス『道徳感情論』(日系BPクラシックス)、千石剛賢『父とは誰か、母とは誰か』(春秋社)、フレデリック・ダグラス『アメリカの奴隷制を生きる』(彩流社)、ヘンリー・ジェイムズ『デイジー・ミラー』(新潮文庫)、アレクシス・ド・トクヴィル『アメリカのデモクラシー』(岩波文庫)なんかの話もちょっとずつしています。
書肆侃々房は福岡の熱い出版社です。今村夏子『あひる』なんてすごかった。こないだは澤西祐典さんの『別府フロマラソン』なんて素敵な本も出してくれました。
東京にないからこそできることってたくさんあるんだなあ、ということをはっきりと教えてくれる会社です。

2017年10月9日月曜日

『文學界』11月号に「村上春樹以降 アメリカにおける現代日本文学」を書きました

2017年11月号の『文學界』に「村上春樹以降 アメリカにおける現代日本文学」を書きました。
http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/
英語圏でも日本文学なら村上春樹が圧倒的に読まれているはずだ、と思いがちですが、実は谷崎・三島・夏目などの日本近代文学などもまだまだ強いし、ライトノベルやミステリーなど、他にも多様な作品が英語圏の読者に選ばれています。
書店売り上げランキングや英語圏の文学賞、書評などを見ながら、実際に読まれているのはどういう作品か、そしてどういうものが高い評価を受けているのかを探りました。

2017年10月8日日曜日

温又柔さん・中村和恵さん・秋草俊一郎さんとのシンポジウムが『すばる』に載りました

温又柔さん・中村和恵さん・秋草俊一郎さんとやったシンポジウムが2017年11月号の『すばる』に載りました。
http://subaru.shueisha.co.jp/
温さんは自作『真ん中の子供たち』の話、中村さんはインドのお母さん、秋草さんはナボコフと、三人とも全然違うのに、読んでみればどこかでつながっている、という不思議な面白さのある原稿になっています。ご興味があれば。

2017年10月7日土曜日

10月6日のNHKニュースおはよう日本に出演しました

10月6日のNHKニュースおはよう日本に出演しました。
http://www.nhk.or.jp/ohayou/
朝の7時10分頃です。録画による出演で、イシグロの作品には日本の読者にも親しみやすい感覚が流れているのではないか、という話をしました。
日本語と英語、日本とイギリスなどいろいろな境界を越えながら、夢・過去・目の前の出来事など、多様な現実の在り方を模索していく彼の作品は、現代世界文学の最先端でありながら、小説を読むことにあまり慣れていない読者にも入りやすい面白さがあります。
これを機会に彼の読者が増えるととても嬉しいです。

2017年10月6日金曜日

10月5日のNHKニュースウォッチ9に出演しました

2017年10月5日のNHKニュースウォッチ9に出演して、今年のノーベル文学賞受賞者であるカズオ・イシグロについて話しました。
http://www4.nhk.or.jp/nw9/
特に大好きな作品『充たされざる者』(ハヤカワepi文庫)の話をすることができて良かったです。
桑子アナ・有馬アナ、そして担当の河合記者など、関わっている全員が優れた、お心配りのある方ばかりで、気持ちよく仕事することができました。スタッフのみなさん、見てくださった方々、どうもありがとうございました。

2017年10月5日木曜日

CURIOSITY 2にロング・インタビューが載っています

CURIOSITY 2という、山木悠さんが様々な人のインタビューを集めた本に、僕のインタビューが掲載されています。
http://diskunion.net/dubooks/ct/detail/DUBK187
https://www.amazon.co.jp/CURIOSITY2-%E5%B1%B1%E6%9C%A8%E6%82%A0/dp/4866470348
すでにアマゾンでは予約できるようです。
幅允孝さんなど、様々な優れた方と載ることかできて嬉しいです。
山木さんには僕の訳したジョン・ファンテ『塵に訊け!』(DHC、絶版)への熱い思いをぶつけていただきました。留学中の困難な時期にがんばって翻訳をして良かったです。この勢いもあってか、Them Magazineの次の号には、ジョン・ファンテを扱った少し長めのエッセイも書くことができました。山木さん、どうもありがとうございます。
またどこかから『塵に訊け!』が復刊されるといいなあ。