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2016年4月21日木曜日

バスケス『物が落ちる音』書評しました

2016年4月17日の北海道新聞でフアン・ガブリエル・バスケス『物が落ちる音』(松籟社)を書評しました。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/cont/books/2-0055661.html?page=2016-04-17
コロンビアの作家というと何と言ってもマルケスが有名ですが、続々と若い世代が現れているようです。バスケスのこの作品は、麻薬戦争やアメリカとの関係を踏まえて、個人や国家はどのようにトラウマを乗り越えるかが淡々と書かれています。
繊細で大胆な筆致は、普段中南米文学を読み慣れていない人でも楽しめるのではないでしょうか。
バスケスは4月26日に東京外国語大学でイベントもするようです。御興味がある方はぜひ。
http://www.tufs.ac.jp/event/general/jg.html

2016年4月12日火曜日

青山南編訳『パリ・レヴュー・インタビュー』書評しました

 2016年4月16日号の図書新聞一面で青山南編訳『パリ・レヴュー・インタビュー』(岩波書店)の書評をしました。
http://toshoshimbun.jp/books_newspaper/week_article.php
かなり長い書評になっています。
この度岩波書店から上下二冊組で刊行された本書ですが、主に英語圏の文学を理解する上では非常に優れたものとなっています。取り上げられている作家も、ヘミングウェイ、モリソン、マンローなど、現代を代表する作家ばかりです。しかもインタビューの質が素晴らしいです。何度も作家のところに通って作った原稿を圧縮し、作家本人にも加筆してもらっているそうです。この本を読めば、現代文学に関する見通しはかなり明るくなるのではないでしょうか。
青山南さんはコツコツと本当に素晴らしい仕事をなさっていらっしゃいますよね。こういう先輩の生きざまを見習いながら僕も頑張って行きたいです。

4月23日追記
ウェブ上に全文が公開されました。
http://www1.e-hon.ne.jp/content/toshoshimbun_3251_2-1.html

2016年4月3日日曜日

『東欧の想像力』に「英語のなかの東欧系文学」を書きました

奥彩子・西成彦・沼野充義編『東欧の想像力』(松籟社)に「英語のなかの東欧系文学」を書きました。
http://shoraisha.com/main/book/9784879843432.html
編者の方々を初め、非常に優れた研究者が集まって東欧文学について解説したガイドブックです。僕はアメリカ文学における東欧のイメージについて書きました。こうした機会を与えていただきどうもありがとうございました。

「英語教育』でジョイス・キャロル・オーツについて書きました

「英語教育』2016年4月号でジョイス・キャロル・オーツについて書きました。
http://www.taishukan.co.jp/book/b220195.html
これは「世界の小説と現代人のこころ」という連載で、まずは一年ほど続く予定です。アメリカ合衆国を初めとする海外の文学について、思うところをゆったりと書いていきたいと思っています。
大修館書店の『英語教育』といえば、2007年から2008年まで「サブカルチャー探検隊」というタイトルで、アメリカ合衆国の映画やアニメなどについて連載していました。僕の初めての連載でした。これはまだ単行本には収録されていませんが。早いものであれから10年ほど経つんですね。
考えてみれば、あそこで書くことについて初めて本格的に鍛えられた気がします。恩返しも含めて、今回もがんばって書いていきたいと思っています。

『MONKEY』で2016年の文学の座談会に出席しました

『MONKEY』2016年春号で「妄想・歴史・写実」というタイトルの座談会に出席しました。
http://www.switch-store.net/SHOP/MO0008.html
他の出席者は以下のとおりです。

小野正嗣さん、松田青子さん、宮下遼さん、柴田元幸さん

優れた人ばかりで、とても勉強になりました。本当にみなさん、海外文学をよく読んでいますね。ぼくもがんばらなくちゃと思いました。どうもありがとうございました。

『英語で読む村上春樹』2016年4月号にパク・ミンギュについて書きました

『英語で読む村上春樹』(NHK出版)2016年4月号テキストにパク・ミンギュ『カステラ』について書きました。
タイトルは「村上春樹を引き継ぐ--パク・ミンギュ『カステラ』」です。
https://www2.nhk.or.jp/gogaku/english/yomu/
今や村上春樹の作品は古典として世界に拡がり、若い作家たちが作品を書いていくフォーマットにさえなっています。ここでは韓国のパク・ミンギュを取り上げ、彼が村上作品を踏まえながらどんなオリジナルな小説を書いているかについて考えてみました。
なお、このコラムは3ヶ月集中連載になっています。