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2015年12月31日木曜日

『本の雑誌』12月号新刊めったくたガイド書きました

『本の雑誌』2015年12月号の新刊めったくたガイドを書きました。
http://www.webdoku.jp/
選んだ本は以下のとおりです。

ジュンパ・ラヒリ『別の言葉で』中嶋浩郎訳、新潮社。
ヴァージニア・ウルフ『自分ひとりの部屋』片山亜紀訳、平凡社ライブラリー。
ヴォルテール『カンディード』斉藤悦則訳、光文社古典新訳文庫。

ラヒリがイタリア語で書いた!という本が『別の言葉で』です。ベンガル語と英語の狭間で苦しんでいた彼女が、イタリア語という絶対的な外国語にたどり着くというのはなんだか感動的です。ウルフは文章が素晴らしい。しかも男性たちが集団でどうやって女性の人生を阻むのか、という分析が鋭いです。自分のなかにある異性を男性も女性も育むべきだ、という主張に納得してしまいました。ヴォルテールはシュールで楽しくて、真面目になりすぎてしまった現代小説の可能性を押し広げてくれる作品だと思います。本当にいい本です。

2015年12月12日土曜日

朝日新聞で今年の3冊選びました

12月8日付けの朝日新聞夕刊で今年の外国文学3冊選びました。

・パク・ミンギュ『亡き王女のためのパヴァーヌ』吉原育子訳(クオン)
・ミランダ・ジュライ『あなたを選んでくれるもの』岸本佐知子訳(新潮社)
・キルメン・ウリベ『ムシェ 小さな英雄の物語』金子奈美訳(白水社)

です。どれも本当に素晴らしい本です。御興味があれば。