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2015年5月9日土曜日

李鳳宇・四方田犬彦『民族でも国家でもなく』(平凡社)

李鳳宇・四方田犬彦『民族でも国家でもなく』(平凡社)を読む。すごくいいね。
http://www.heibonsha.co.jp/book/b194019.html
そういえばシネカノンの映画、大好きだったなあ。アメリカの大学院にいたとき、『月はどっちに出ている』について映画の授業で発表して、韓国系アメリカ人の学生がとても強く反応してくれたのを思いだしながら読んだ。
それにしても、四方田犬彦さんは偉いね。これくらいの年代の知識人で、西洋一辺倒じゃなくて、アジアのこともしっかりと研究している人なんてかなり少ないんじゃないかな。エリアス・カネッティ『群衆と権力』について言及しながら、今日本社会を覆っているウェブ上の匿名の暴力に指摘している箇所には考えさせられた。これ、よくあるインターネット楽観論よりよっぽど説得力があるなあ。