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2014年3月7日金曜日

アレクサンダル・ヘモン『我が人生の書』

切なすぎて心が引きちぎられそうになる本。いずれも優れた短篇集や小説を発表してきたヘモンにとっては最初の回想録である。最終章「水槽」(The Aquarium)で、幼い娘の死を描いたシーンにはまさに言葉を失ってしまう。
もちろんいつものヘモンらしく、ユーモアにあふれた、心温まる部分もいい。シカゴで様々な国から来た人たちが草サッカーに興じるエッセイもよかった。ヘモン作品の背景を知る上でも最高の書物だ。
Aleksandar Hemon. The Book of My Lives. New York: Farrar, Straus and Giroux, 2013.