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2014年3月13日木曜日

エーリッヒ・フロム『愛するということ』(鈴木晶訳、紀伊國屋書店)

凄まじいほどの名著。みんなどうしたら愛されるかばかり考えているが、本当は愛することが大切だ。そして愛することには努力と訓練が必要である。こうしたフロムの主張に驚愕する。だったら、愛されヘアもモテ仕種も金も地位も名誉も全く関係ないことになるではないか。現在の資本主義を形作っているものすべてを否定し尽くしたあとに残るのが愛することだというのは、もはや革命運動だ。
結局のところ僕も、自分の価値を高めることでより多く愛されたいという悲しいエゴマニアでしかなかったと思う。そんな自分の壁を乗り越えることができるのか。フロムの言葉がぴったりと心に寄り添ってくる。どうして今までフロムのすごさを誰も教えてくれなかったのか?