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2014年3月10日月曜日

『孫子』(町田三郎訳、中公文庫)

中国の古典っていいよね。言葉が簡潔で内容が深くて。『孫子』なんてすぐ読み終わってしまうけれど、すごい洞察がいっぱいある。
戦争がうまい人は勝っても派手ではないから「知恵者としてももてはやされず、勇者のいさおしも口にされることはない。」(29)なんていい。褒められるうちは大したことないのか。
「将軍がおずおずとひかえ目な口調で兵士に話をしているのは、兵士の信頼を失ってしまっているからである。しきりに褒賞を与えているのは、苦慮しているのである。しきりに罰しているのは、困惑しているのである。」(74)なんて、教育論としても読めそうだ。