ページ

2014年1月27日月曜日

エドワード・W・サイード『人文学と批評の使命』(岩波現代文庫)

これを読めば誰でもサイードのファンになってしまうのではないか。効率ばかりの世の中で人文学は、一見無駄なことをし続けることを通じて、きちんと批判的に考え続けるための防波堤になれる、と言われるとそうかそうかと思う。もちろんその先を考えるのは残された僕らの役目なんだけどね。
先日"The World, the Text, and the Critic"という彼の論文を読んで知的なレベルのあまりの高さに圧倒された。後書きで富山太佳夫が言う、いまだド・マンとサイードが英語圏現代批評の二大高峰であるという言葉は完全に真実だと思う。